・山歩きの基本は『靴』です <No2>・


登山靴で靴ズレになった…」
数回履いたのに靴が慣れなくて足が痛くなる…」

そんな経験はありませんか??僕自身は恥ずかしながらあります。

 近年の登山靴は昔に比べて完成度が高くなっています。

 ですから、「靴ズレになる危険性は殆どない」…と断言したい所ですが、足に合っていない靴設計の悪い靴を履けば靴ズレにもなりますし、数回履いても足と靴が根本的に合っていない場合は慣れる事はありません。慣れる前に足を痛めるでしょう。


足に合った靴を選ぶと、慣らしなしでも快適に歩く事ができます。

 
一般的に日本人の足は「幅広」で「甲が高い」と云われ、靴でも3E、3E+、4E、G…などの靴が出回っていますが、実際にアルプでは数2000人以上の人の足の長さと幅を測定してますが、3E以上の幅広に属する人は2割り程度でしょうか??つまり8割以上の人が「幅広靴を履くと、足と靴が合っていない」事になります。得に若年層では幅広の割合いが低くなっていますし、足首とカカトが細い人は多いです。



幅広い方が楽」と思われがちですが、これが靴選びの間違いの始まりに…

 例えば、2Eの幅の人が3E4E+の靴を履くと、履いた時は圧迫がないので楽に感じるでしょう。

 しかし、山などで不安定な所を歩くと、広すぎる靴だと、足が靴の中でブカブカでズレて不安定。余分な力を使って歩く事になりますし、足と靴の隙間が全体的にあるので、靴ズレのリスクが高くなります。

 ヒモをいくら締めても足と靴が根本的に合っていないので隙間があり、あまりヒモの意味がありません。擦れる原因は、隙間がある幅広の靴だからです。

疲れて、足を痛めて当然です

 足と靴の隙間を少なくしてフィットさせるが重要になってきますし、フィットさせる事で靴ズレのリスクが低くなります。

 ※指先部は余裕が絶対必要!!



<失敗例>
「外反母趾で親指の付根が痛い」よくあるパターンですが、アルプではそんな場合は靴によりますが機械で幅を部分的に伸ばす事もできますし、ヒモの通し方で部分的な負担をかなり軽減できます。お持ち込みの靴の場合でもヒモの通し方のアレンジで解決する場合もあります。少しの加工で履き心地は格段に向上します。



<失敗例>
 「他店で買った靴で痛くなるので幅を伸ばして下さい」と持って来られた方の、足と靴を見ると靴の幅が広すぎて、ヒモを締めても隙間だらけ。靴が合っていないので足を痛めて当然です。アルプ推薦の登山靴を試履きして「何このフィット感覚。安定性が違う…」と言った感想。その方は登山の初心者で「山に知識のある人が靴の説明してくれたのに…」とおっしゃっていました。


<失敗例>
 「バーゲンで安かった靴を買って、数回履いても慣れなくて足が痛い」。そう言って他店で購入されて持って来た靴を見ると、ヒモを締める部分の裏(足側)に縫目のシワがよって段差ができています。いくら何でもこれは慣れる様な状態ではありません。アルプで推薦した靴を試履きして店内を歩いて「履き慣らししていないのに、歩きやすい〜」と言った感想。お持ちの靴は履けないから安かったのか…?いくら安くても履けない靴を買ってはお金の無駄です。


<失敗例>
 「前回○社の3Eの靴を履いていて痛かったので、○社の3E+の靴を推薦されて買ったのに足歩いたら靴ズレが出来た」。と言ったお客さまの足を測定すると、足の骨格が細く3Eでも広すぎる足です。痛いからと言って、ただ単に幅の広い靴を足を測定せずに勧めるのはのはどうでしょう?
 
「何故痛くなるのか?」を考えなければ、解決しません。圧迫で痛いのと擦れて痛いのは全く違う原因ですので、それを見極める必要があります。


<失敗例>
 僕自身の例で言うと、足と靴の知識が全くなかった10年程前に「日本人向けに作られた靴が良いんだ」と確信を持って、山で実際に歩いてみると…10分もしない内にカカトに違和感を感じ始め、山から帰ってくると靴下は血で真っ赤。「数回履くと慣れるだろう」と1年間足を痛めながら頑張ってみましたが、全く慣れませんでした。慣れなかった原因は、靴は悪くないのに細い僕の足には靴が広すぎただけ…今思えば足を痛めて当然です



 アルプではお客さまの足の長さや幅を測定して、足の骨格を見てから、「靴ズレの危険性の低い靴」を選んで「足に合った靴」を販売していますし、トラブルが起きそうな足の場合は、靴の加工をして対処しています。

 実際にアルプで買われた方は「何このフィット感覚!!持ってる靴と全然違う…こんな登山靴があったんや〜」と感激される方が多いです。良い例ではありませんが「履き慣らししなくて、北アルプスに登っても足は大丈夫だった」と言う方もいました。(履き慣らしは出来ればして下さい)


 アルプで靴の通販を一切していない理由は「足に合っているか分からない靴を販売するのがイヤ」だからです。

 値段が高い登山靴でも、使う人の足に合っていなければ意味が無いので、足の知識がある人に見てもらって、トラブルがおきても色々な対処(最低限、幅伸ばしや靴ヒモ通しのアレンジなど)をしてもらえる店で、登山靴を選ぶようにすると、より一層山を楽しむ事が出来るでしょう♪

文章 アルプスタッフ 原 勇一郎


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